
「ChatGPTを会社でも使ってみたい」
「生成AIで仕事が楽になると聞くけれど、何から始めればいいのかわからない」
「社員にAIを使わせても、結局使わなくなるのでは?」
生成AIに興味はあっても、実際の業務への導入となると、このような悩みを抱えている中小企業は少なくありません。
特に、社内にIT担当者がいない中小企業では、いきなり大規模なAIシステムを導入したり、社員全員にAIツールを使わせたりする必要はありません。
おすすめしたいのは、
「まず1つの業務だけ、生成AIを使って楽にできないか試してみる」
という方法です。
この記事では、中小企業がChatGPTなどの生成AIを業務へ取り入れる際の考え方を、4つのステップに分けて紹介します。
なぜ中小企業の生成AI導入は「1業務」から始めるのか?

生成AI導入というと、
- 社員全員にChatGPTを導入する
- AI研修を実施する
- AIシステムを開発する
- 業務全体を自動化する
といった大規模な取り組みを想像するかもしれません。
しかし、最初からそこまで行う必要はありません。
むしろ大切なのは、
「この仕事ならAIで少し楽になるかもしれない」
という業務を1つ見つけることです。

例えば、毎週30分かかっている作業をAIによって10分にできれば、1回あたり20分の削減です。
週3回発生する仕事なら、1ヶ月で約4時間。
年間では約48時間になります。
こうした小さな改善を積み重ねていくことが、中小企業の生成AI活用では重要です。
ステップ1|AIに任せやすい業務を1つ探す

最初に行いたいのが、現在行っている業務の棚卸しです。
特に生成AIと相性がいいのは、「文章を考える」「まとめる」「整理する」といった作業です。
例えばこんな業務があります
メール作成
お客様から届いた問い合わせに対する返信文の下書きをChatGPTに作ってもらいます。
議事録・打ち合わせ内容の整理
メモした内容から、要点・決定事項・今後やることを整理します。
ホームページのお知らせ
箇条書きの情報から、ホームページへ掲載する文章を作成します。
SNS投稿
商品や施工事例などの情報から、Facebook・Instagram・Xなどの投稿文を作成します。
求人募集文
仕事内容、勤務時間、待遇などを入力して、求人ページの原稿を作成します。
社内マニュアル
担当者しか知らなかった作業を整理して、新しい社員でも理解できる手順書を作ります。
ほかにも、
- 商品説明
- ブログ記事の下書き
- FAQ作成
- アンケート内容の整理
- Excel関数の作成補助
- 提案書の構成
- 文書の要約
など、さまざまな仕事に利用できます。
最初から重要業務を任せない
反対に、最初からAIだけに任せない方がよい仕事もあります。
例えば、
- 契約に関する最終判断
- 税務・法律に関する判断
- 金額や請求内容の確定
- 顧客への回答の完全自動送信
- 人事評価
- 個人情報を大量に扱う仕事
などです。
生成AIは便利ですが、間違った内容を生成することがあります。
そのため最初は、
「AIが間違っても、人間がすぐに確認・修正できる仕事」
から始めるのがおすすめです。
ステップ2|実際の仕事をChatGPTにやらせてみる

対象業務が決まったら、実際の仕事で試してみます。
例えば、お客様への問い合わせメールであれば、
「丁寧な返信メールを作ってください」
だけでも文章は生成できます。
しかし、実務で安定して使うには、もう少し具体的な指示が必要です。
例えば、
中小企業のお客様へ送る返信メールです。専門用語をできるだけ使わず、丁寧ですが堅すぎない文章にしてください。300文字以内にしてください。
というように、
- 誰に向けた文章なのか
- 何のための文章なのか
- どのような雰囲気にするのか
- 文字数
- 必ず含める内容
などを指定します。
何度か試して、
「この指示なら毎回使えそう」
というものができたら、その指示文を保存しておきます。
これが会社専用の「AI業務テンプレート」になります。
ステップ3|会社で使う最低限のAIルールを決める

業務で生成AIを使う場合、便利さだけでなく情報管理にも注意が必要です。
特に中小企業では、難しい規程を最初から何十ページも作るより、
「何を入力してはいけないか」
を明確にするところから始めると運用しやすくなります。
例えば、
- パスワードを入力しない
- クレジットカード情報を入力しない
- 不要な個人情報を入力しない
- 顧客との秘密情報を安易に入力しない
- 未公開の社内情報の取り扱いを決める
- AIが作った文章をそのまま公開しない
といったルールです。
そして非常に重要なのが、
「AIが作ったものは、人間が確認してから使用する」
というルールです。
生成AIは、もっともらしい間違った情報を回答することがあります。
これを「ハルシネーション」と呼びます。
AIを「人間の代わりに全部判断してくれるもの」と考えるのではなく、
優秀な下書き担当者
くらいに考えると使いやすくなります。
ステップ4|うまくいった仕事だけ手順書にする

1つの業務で効果が確認できたら、次に行いたいのが手順書化です。
難しいマニュアルを作る必要はありません。
A4用紙1〜2枚程度でも十分です。
「問い合わせメール返信AI」の手順書例
使用ツール
ChatGPT
手順
- 問い合わせ内容を確認
- 必要な情報だけChatGPTへ入力
- 登録してあるプロンプトを使用
- 返信文を生成
- 内容・会社名・氏名・数字などを人間が確認
- 必要部分を修正
- メール送信
注意事項
個人情報・パスワード・秘密情報などは入力しない。
最終確認
AIが作った文章をそのまま送信せず、必ず担当者が確認する。
これだけでも十分な業務マニュアルになります。
2人目が使えれば「個人のAI活用」から「会社の仕組み」になる

ここが非常に重要です。
最初にAIを使った人だけが便利になっても、それは会社の業務改善とはいえません。
そこで、作成した手順書を別の社員に渡します。
その社員も同じように作業できれば、
「AIに詳しい人しかできない仕事」から「会社として再現できる仕事」
へ変わります。
ここまでできたら、次の業務へ進みます。
例えば、
問い合わせメール
↓
SNS投稿
↓
議事録
↓
求人原稿
↓
社内マニュアル
というように、成功した方法を少しずつ横展開していきます。
生成AI導入で確認したいのは「どれだけ時間が減ったか」

生成AIを導入すると、
「便利になった気がする」
で終わってしまうことがあります。
そこで簡単でもいいので、導入前後の作業時間を測ってみましょう。
| 業務 | 導入前 | AI活用後 | 削減時間 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせ返信 | 20分 | 8分 | 12分 |
| SNS投稿作成 | 30分 | 10分 | 20分 |
| 議事録整理 | 45分 | 15分 | 30分 |
| 求人原稿作成 | 60分 | 25分 | 35分 |
このように数字にすると、
「AIを導入して本当に仕事が減ったのか」
を判断できます。
月額料金だけを見てAIツールが高い・安いと判断するのではなく、
削減できた人件費や時間と比較すること
が重要です。
ChatGPT・Gemini・Claudeなど、どれを選べばいい?

現在はさまざまな生成AIサービスがあります。
代表的なものとして、
- ChatGPT
- Gemini
- Claude
などがあります。
ただし、最初からすべて契約する必要はありません。
重要なのは、
「どのAIが一番すごいか」ではなく「自社の仕事に使えるか」
です。
まず実際の業務を1つ決め、その仕事で試してから選んでも遅くありません。
また、料金・機能・データの取り扱い・法人向け機能などは変更されることがあるため、導入時には各サービスの最新情報を確認しましょう。
「ChatGPTを導入したけれど使われない」を防ぐには?

会社で生成AIを導入するときにありがちなのが、
「自由に使ってください」
だけで終わってしまうことです。
これでは、
「何に使えばいいかわからない」
という社員が出てきます。
そこで、
「ChatGPTを使ってください」ではなく「この仕事をChatGPTでやってください」
まで具体化します。
例えば、
- 毎週月曜日の会議メモをChatGPTで整理する
- Facebook投稿の下書きをChatGPTで作る
- 問い合わせメールの返信案をChatGPTで作る
と決めます。
AIを導入するのではなく、
仕事のやり方を1つ変える。
この考え方が重要です。
社内にIT担当者がいない会社こそ、小さく始める

中小企業では、
「AI担当者を新しく採用する」
「大規模なAIシステムを開発する」
という方法が現実的ではない場合もあります。
しかし、普段行っている仕事を1つ選んで、
「この作業、AIでもっと簡単にならない?」
と考えることなら、今日からでも始められます。
最初から会社全体を変える必要はありません。
1つ成功したら2つ目。
2つ目が成功したら3つ目。
小さな成功を積み重ねていくことで、生成AIが「一部の詳しい人が使う便利なツール」から「会社の日常業務で使う道具」へ変わっていきます。
アポロン7では中小企業の生成AI活用・IT業務改善をサポートします

「ChatGPTに興味はあるけれど、自社のどの仕事に使えるかわからない」
「社員に使わせたいけれど、教え方がわからない」
「毎日繰り返しているパソコン作業を減らしたい」
「AIだけでなく、パソコンやメール、ホームページなどもまとめて相談したい」
このようなお悩みはありませんか?
アポロン7では、生成AIそのものを導入することを目的にするのではなく、
現在行っている仕事を少しでも楽にすること
を重視しています。
まずは、
「毎週・毎月繰り返している面倒な仕事」
を1つ探すところから始めてみましょう。
メール、文章作成、ホームページ更新、SNS、Excel、社内マニュアルなど、身近な仕事の中にも生成AIを活用できる場面があります。
「これってAIで楽にできる?」
という段階からでも大丈夫です。
社内にIT担当者がいない中小企業・個人事業主の方も、お気軽にご相談ください。
