会社の共有フォルダーを開こうとしたら、「ネットワークパスが見つかりません」「エラーコード:0x80070035」と表示された。昨日まで使えていたのに、見積書や請求書を取り出せず困っていませんか。
このエラーは、共有先への通信や接続条件に問題があるときに表示されます。表示だけで「データが消えた」「NASが故障した」とは判断できません。
まずは、共有先の電源、社内ネットワークへの接続、共有フォルダーの場所を順番に確認しましょう。この記事では、Windows 11の職場利用を想定し、安全に確認できる手順と、設定変更を止める目安を説明します。
0x80070035は何が原因で起きる?

原因は一つではありません。共有先に通信できない場合だけでなく、接続時の認証やセキュリティ条件が合わない場合にも発生します。
主な原因候補は、次のとおりです。
- 共有先のパソコンやNASの電源が切れている
- 社内LANから外れ、ゲスト用Wi-Fiなどに接続している
- ショートカットに登録された共有先の名前や場所が古い
- 共有先の名前を、ネットワーク上で正しく見つけられない
- 共有サービスやファイアウォールの設定に問題がある
- NASとWindowsの認証方式やセキュリティ条件が合っていない
NASとは、社内ネットワークにつないで複数人でファイルを保存・共有する機器です。
なお、インターネットを見られても、社内の共有フォルダーへ接続できるとは限りません。ゲスト用Wi-Fiでは、社内機器との通信が制限されている場合があります。
最初に確認することは「自分だけか、全員か」

同じ共有フォルダーを、ほかの社員のパソコンでも開けるか確認してください。影響範囲が分かると、調べる場所を絞れます。
- 自分だけ開けない:自分のパソコンの接続先、設定、登録された接続情報などを確認
- 全員が開けない:共有先の電源や社内ネットワークなど、共通部分を優先して確認
- 特定のフォルダーだけ開けない:共有名の変更やアクセス権などを管理者へ確認
これは原因を絞る目安であり、故障箇所を断定するものではありません。
確認前に、エラー画面、発生時刻、開こうとした共有先を記録しておきましょう。「PCを入れ替えた」「Windows更新後から」「ルーターを交換した」など、直前の変化も役立ちます。
安全に確認できる4つの手順

1.共有先の電源と接続を確認する
共有先が別のパソコンなら、電源が入り、スリープ状態になっていないか確認します。NASなら、電源ランプや異常を知らせるランプを確認してください。
LANケーブルが抜けていないかも、見える範囲で確認できます。
NASに異常ランプや異音がある場合は、初期化や電源の抜き差しを繰り返さず、機種名と表示状態を管理者へ伝えましょう。ほかの社員が利用する共有機器は、自己判断で再起動しないでください。
2.会社で指定されたネットワークにつなぐ
Wi-Fiの接続先名を確認し、社内用ではなくゲスト用やスマートフォンのテザリングにつながっていないか確認します。
在宅勤務や外出先では、会社指定のVPN接続が必要な場合があります。VPNは、社外から社内ネットワークへ接続するための仕組みです。利用している会社では、接続状態を確認してください。
プリンターなども同時に使えない場合は、関連する「オフィスのプリンターやWi-Fiが急に繋がらなくなった時の応急処置と出張依頼のタイミング」も参考になります。
3.ショートカットを使わず、共有先を直接開く

管理者から案内された正しい共有先が分かる場合は、エクスプローラー上部のアドレス欄に入力して確認します。
共有先の形式は「\\共有先の名前\共有名」です。例えば「\\OFFICE-NAS\share」のように入力します。これは説明用の例なので、そのままではなく、自社の正しい名前に置き換えてください。
検索欄ではなく、現在のフォルダーの場所が表示されるアドレス欄へ入力するのがポイントです。
直接入力で開ける場合は、古いショートカットの接続先が間違っている可能性があります。共有先が不明なら、名前を推測して設定を変更せず、管理者へ確認しましょう。
4.保存してから、自分のパソコンを再起動する
作業中のファイルを保存し、自分のパソコンを再起動して、もう一度接続を試します。
対象は、まず自分のパソコンです。ルーターやNASの再起動は、ほかの社員の作業や業務システムに影響するため、管理者の確認を取ってから行います。
共有設定は、どこまで変更してよい?
会社で管理されているパソコンは、確認を中心にし、設定変更は管理者へ相談してください。
Windows 11では「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」→「共有の詳細設定」で、ネットワーク探索などの状態を確認できます。表示名は環境によって異なる場合があります。
ネットワーク探索は、エクスプローラーの「ネットワーク」に機器を表示するための設定です。表示されないことと、共有先を直接指定しても開けないことは、分けて確認する必要があります。
社内の信頼できるネットワークでは、プライベートネットワークの設定が適切な場合があります。ただし、会社の管理方針が優先です。公共Wi-Fiをプライベートに変更したり、すべてのネットワークで共有を有効にしたりしないでください。
Windows更新やPC入れ替え後に起きた場合

更新や入れ替えの後から古いNASにつながらなくなった場合は、認証方式やSMB署名の対応状況も確認が必要です。
SMBは、Windowsなどがネットワーク上でファイルを共有する仕組みです。SMB署名は、通信の改ざんを確認するための機能です。
Windows 11のバージョンやエディションによっては、この署名が標準で要求されます。NASが対応していない場合や、利用者を確認しないゲスト接続を使っている場合に、接続エラーが発生することがあります。
この場合は、NASのメーカー情報を確認し、更新、SMB署名への対応、ユーザー名とパスワードによる接続を管理者と検討します。「Windows更新が原因」と決めつけて更新を削除する前に、接続条件を確認しましょう。
エラーを消すために避けたい操作
原因が分からないまま、次の操作を行うことはおすすめできません。
- ファイアウォールやウイルス対策を無効にする
- 古いSMB 1.0を安易に有効化する
- 安全でないゲスト接続を許可する
- SMB署名やパスワード保護を無効にする
- 共有フォルダーの権限を全員に広げる
- NASを初期化する
一時的に開けるようになっても、情報漏えいや別の不具合につながる可能性があります。特に会社の共有フォルダーでは、「開ければよい」だけで判断しないことが大切です。
まとめ
- 0x80070035だけで、データ消失やNAS故障とは判断できない
- 最初に「自分だけか、全員か」を確認する
- 電源、接続先ネットワーク、共有先の名前を順に確認する
- 更新後の不具合は、NASとの認証・セキュリティ条件も確認する
- 保護機能の無効化や共有機器の初期化は自己判断で行わない
接続先の確認や自分のパソコンの再起動で改善する場合は、その範囲で対応できます。一方、複数人が使えない、NASに異常がある、管理設定の変更が必要な場合は、操作を止めて相談してください。
アポロン7では、水戸市を中心に茨城県内の会社・店舗のパソコンや社内ネットワークの相談に対応しています。「どこにデータがあり、誰が管理しているか分からない」という状態でも、構成や影響範囲の確認からご相談いただけます。
