Google AI Proを使っていて、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「Google Cloudのクレジットって、何に使うの?」
「普通にGeminiを使うのとは何が違う?」
「中小企業の仕事で本当に使い道がある?」
私自身、Google Developer Program Premiumの特典としてCloudクレジットが付いていることを確認したものの、最初は「これを何に使えばいいんだろう?」という状態でした。
そこで今回は、単に機能を調べるだけではなく、 実際の業務に使えるAI検索ツールを作り、Google Cloudのクレジットを本当に使って検証してみました。
営業先候補の情報収集や、企業・地域に関する最新情報の確認など、 「人が何度もGoogle検索している作業をAIに渡せないか?」 という実験です。
先に今回の結論
Google Cloud+Gemini+Google検索を組み合わせることで、
対象一覧を渡す
↓
AIがGoogle検索
↓
最新情報を確認
↓
根拠となった情報源を保存
↓
怪しい結果だけ人間が確認
という「Web調査の半自動化」が実際にできました。
Google AI Proに付いていたCloudクレジット、何に使う?
Google AI Proを利用していると、利用条件によってGoogle Developer Program Premiumの特典が提供される場合があります。
私の環境では、Google Cloudで利用できるクレジットとして 月1,594円相当が表示されていました。
ところが問題はここです。
「約1,600円分もらっても、何に使えばいいの?」
Geminiは普段から使っていますし、NotebookLMやGoogle Driveも仕事で活用しています。
ところが「Google Cloud」と聞いた瞬間に、サーバーやプログラム開発など、急に専門家向けのサービスに感じてしまいます。
そこで今回は、Cloudクレジットを消費すること自体を目的にするのではなく、 「実際の仕事を減らせるものを作って、その費用に使ってみよう」 と考えました。
作ったのは「最新情報をAIがGoogle検索する仕組み」
今回想定したのは、営業活動や業務改善に伴う情報収集です。
企業に新しい動きがないか、公開情報を確認する。
新しい求人や採用ページが公開されていないか調べる。
サービスや店舗、事業内容などの変更情報を確認する。
自治体や関連団体などの新しい発表を調査する。
1件だけなら、人間がGoogle検索して確認すれば済みます。
しかし10件、50件、100件と対象が増えてくると、 「検索して、ページを開いて、内容を確認する」という作業だけでもかなりの時間になります。
Vertex AI+Gemini+Google Search Groundingを利用
今回利用したのが、Google CloudのVertex AIとGeminiです。
さらにGoogle Search Groundingを利用することで、AIが内部知識だけで回答するのではなく、Google検索を利用してWeb上の情報を調査できるようにしました。
今回目指した処理
↓
② Geminiへ調査を依頼
↓
③ Google検索を実行
↓
④ 最新情報を確認
↓
⑤ 情報源・URL・結果を保存
今回はClaude CodeからPowerShellを利用して、Google CloudのGemini APIへ問い合わせる仕組みにしました。
ところが最初のテストは大失敗
設定が終わり、いよいよ日本語で調査を依頼しました。
ところが返ってきた回答を見て驚きました。
質問とまったく関係のない回答が返ってくる!
日本語で特定の情報を調べるよう指示しているのに、まったく別のテーマについて回答します。
しかもGoogle検索に使われた検索キーワードまで、こちらの指定内容とは違っていました。
それなのにAPIの結果は、
HTTP 200 OK
通信エラーではありません。
さらにGoogle側のブラウザ開発環境から同じような質問をすると、こちらでは正常な回答が返ってきました。
つまり、GeminiやGoogle検索そのものではなく、 自分のパソコンからGoogle Cloudへデータを送る途中に何か問題がある可能性が高くなりました。
原因はWindows PowerShell 5.1の日本語文字コードだった
そこでGoogle Cloudへ追加アクセスするのを止め、パソコン内部だけで実際に送信されるHTTPデータを検証しました。
すると原因が判明しました。
原因:日本語が正常なUTF-8として送信されていなかった
Windows PowerShell 5.1からJSON文字列をそのまま送信したところ、日本語部分が正しくバイト化されていませんでした。
JSONの構造自体は成立しているため、Google Cloudは通信エラーにせず「正常なリクエスト」として処理してしまっていたのです。
そのため、こちらでは日本語で具体的な調査内容を入力しているつもりでも、Gemini側には意味のある日本語が十分伝わっていませんでした。
UTF-8バイト配列に変換して解決
対策として、送信するJSONを明示的にUTF-8のバイト配列へ変換しました。
$bodyBytes = [System.Text.Encoding]::UTF8.GetBytes($body)
さらに送信直前に、UTF-8へ戻したデータの中に日本語の調査対象が正しく残っていることまで確認するようにしました。
修正後は正常動作!
日本語の調査内容を正しく理解し、Google検索でも指定した対象に関連する検索キーワードが使われるようになりました。
実際に10件をまとめてAI調査してみた
通信経路が正常になったところで、今度は実運用を想定して10件をまとめて調査しました。
10件すべてでHTTPエラーはなく、Google Search Groundingも全件で実行されました。
さらに調査結果だけでなく、
- 情報源
- 参照URL
- Google検索に使われたキーワード
- 実際に引用されたWebページ
- 使用トークン数
- APIの終了状態
などをログとして保存するようにしました。
「AIが公式サイトと言った」だけでは信用しない
ここで、さらに重要な問題が見つかりました。
AIの回答では、
となっているにもかかわらず、Google Search Groundingが実際に引用したページを調べると、その公式サイトが引用元に含まれていないケースがありました。
ここがAI自動化で重要なポイント
AI自身が「公式情報を確認した」と言っていることと、実際に公式情報を根拠として使ったことは、必ずしも同じではありません。
AIの回答と実際の引用元を機械的に照合
そこで現在は、AIが回答した「公式URL」と、Google Search Groundingが実際に使用した引用元URLをプログラム側で照合するようにしました。
一致しない場合は、自動的に、
needs_review = TRUE
として、人間による確認対象に回します。
目指しているのは「全部AI任せ」ではありません。
AIが大量に調べる → プログラムがチェックする → 怪しい結果だけ人間が確認する
さらにAIが6万トークン以上生成するトラブルも
もう一つ、実際に動かしたからこそ分かった問題があります。
通常の調査では数百トークン程度で回答が終わっていました。
ところが一部の処理で、
まで生成されるケースが発生しました。
今回必要なのは、企業や地域の最新情報を数項目確認する程度です。
6万トークンもの出力は必要ありません。
最大出力を1,500トークンに制限
そこで、
maxOutputTokens = 1500
という上限を設定しました。
同じような条件で再テストしたところ、
まで抑えることができ、正常に処理が終了しました。
APIを業務利用する場合、AIの性能だけを見るのではなく、 「どこまで出力させるか」をこちらで制御することも重要だと分かります。
10件のAI検索でCloudクレジットはいくら減った?
そして今回、最も確認したかったのが実際のCloudクレジット消費です。
10件の調査後に確認した時点では、Cloudクレジット残高に11.02円の差がありました。
注意
Google Cloudの利用料金やクレジット消費は、反映まで時間差が生じる可能性があります。そのため「10件の料金が必ず11.02円」と断定するものではありません。あくまで今回確認した時点での残高差です。
しかも、この最初の10件には先ほどの約65,000トークンなど、異常に大きな出力も含まれています。
現在は最大出力数を制限しているため、今後の通常運用では無駄な生成をさらに減らせる可能性があります。
約1,600円分のCloudクレジット、意外と使い道がある
今回の実験前は、
「約1,600円分のCloudクレジットをもらっても何に使うの?」
というのが率直な感想でした。
しかし実際に仕組みを作ってみると、見方が変わりました。
例えば、こんな情報収集に応用できます。
- 営業先候補企業の新しい動きを定期確認
- 企業の採用情報・求人情報の変化を調査
- 既存顧客に関係する公開情報を確認
- 業界や競合企業の最新情報を収集
- 自治体・商工会などの新着情報をチェック
ポイントは「Cloudクレジットを何に使うか?」から考えるのではなく、
毎回、人が検索して確認している仕事はないか?
と考えることだと思います。
「AIを使う」から「AIに仕事を渡す」へ
ChatGPTやGeminiに質問するだけでも、仕事はかなり効率化できます。
しかし今回のように、
① 調査対象を一覧化
↓
② AIがGoogle検索
↓
③ 最新情報を取得
↓
④ 情報源をプログラムでも確認
↓
⑤ 怪しい結果だけ人間が確認
というところまで作ると、単なる「AIへの質問」ではなくなります。
人が毎回繰り返していた仕事の一部を、AIへ渡すことができます。
今回やってみて分かったこと
- Google CloudのクレジットはAI APIにも活用できる
- GeminiとGoogle検索を組み合わせてWeb調査を自動化できる
- 日本語API通信では文字コードにも注意が必要
- AIが示した「公式情報」をそのまま信用しない仕組みも必要
- 出力トークン上限を決めてコストを制御することが重要
- AIに大量調査を任せ、怪しいものだけ人間が確認する運用が現実的
「AIを使う」だけでなく、「どの仕事をAIに渡せるか」を考えることで、AI活用の幅は大きく広がりそうです。
アポロン7ではAIを使った業務改善も検証しています
アポロン7では、ホームページ制作やWordPressの管理だけでなく、ChatGPT、Gemini、Claude Codeなどを実際の業務で使いながら、中小企業でも取り入れやすいAI活用・業務改善を検証しています。
「毎回同じ情報を検索している」
「定期的な確認作業に時間がかかっている」
「AIを導入したけれど、結局チャットで質問するだけになっている」
そんな業務の中にも、自動化できる部分が隠れているかもしれません。
茨城県水戸市周辺の中小企業様へ
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